先週末、長野県白馬村の、白馬八方温泉に行ってきました。ここは、国内有数のアルカリの強い(表示:pH11.2)温泉で、一度どういうところか入ってみたいと以前から思っていたのでした。長野新幹線で長野駅まで、そこからバスで1時間ほどで到着です。
長野駅では全然雪なぞ降っていなかったのに、白馬駅ではどかどか降ってました。同じ長野県だけど、全然違うなあ(当たり前)
で、問題のアルカリの湯に入ってみたのですが、入った瞬間「おっ、ぬるりと来るじゃん!」と思ったのは良いのですが、それから長続きしません。中山平温泉や、栃木北部〜福島南部の温泉ゾーンの湯と比べると、確かにぬるぬる度合いは弱いのです。お湯をペットボトルで持ち帰り、会社にあるpHメーターで測定したところ、pHはちゃんと11.5もあり、表示に偽りのあるわけではありません。
問題は、その成分の薄さかと思われます。白馬八方温泉の溶存成分の濃度は、0.16g/kgで、かなり低めです(中山平だと1.2g/kgくらいあり、8分の1くらい)。白馬八方温泉では、pH自体は高くても濃度の低さからすぐ中和してしまう、それに対しよりぬるりと来る温泉はpHがそれほど高くなくても緩衝作用が働き、ぬるぬる度合いが継続する、こんなところじゃないかなあ?……などと、高校生時代化学が得意だった私は思うのでありました。
「温泉の科学」では、ナトリウム・炭酸イオンとぬるぬるの関係を追っておりますね。緩衝作用の強さを示す指標があれば、もっと妥当な比較ができそうな気がするのですが……さて。