昭和46年生まれのデブおっさんが、思いつくままに一部の人にしか価値のない記事を書くブログです。
おすすめ記事の一覧はabout参照、いにしえのアーケード脱衣ゲーム「ザ・野球拳」についての記事はこちらです。

サルまん2.0 単行本発売

私が今まで読んだ漫画の中で一番好きな作品である「サルでも描けるまんが教室」の続編、9年前に連載された「サルまん2.0」は、私も以前記事を書いておりますが、途中で唐突に連載中止となってしまいました。竹熊氏が「この作品は、おそらく単行本になりません」と述べていたこの作品、なぜか今になって単行本が出る事となりました。何がいったいどうなったのやら?と思いましたが、ファンとしては買わないわけにはいきません。近所の中ぐらいの本屋では見かける事ができず、仙台で一番大きい漫画書店かと思われるイービーンズの喜久屋書店でやっと1冊ゲットする事ができました(新刊コーナーでも平積みでもなく、通常の棚にひっそり1冊ありました) まあ、9年前の作品であり、訳ありの終わり方をした漫画だし、1冊1620円(税込み)とけっこうなお値段でもありますから、しょうがないといえばしょうがないかな……。確実に買いたい人は、素直に

amazonで買うのがいいかもしれません。

さて、内容ですが、全8話+サルまん21+サルまん2.0座談会+その他、といったところで、こうして改めて通しで読んでみると、

  • サルまん21は相原氏が「2.0をやろう!」と思わせるレベルの面白さ
  • それに比べて、2.0は竹熊氏との噛み合わなさが目立つ、終わってしまうのも仕方ないか

という、悲しい内容ではありました。座談会では竹熊氏が「『サルまん2.0』は早すぎたよね」と述べており、ある程度そういう側面もあるとは思うものの、彼の構想が周りに理解されず、また理解させる事もできなかった、これが一番の原因かと私は思いました。サルまん(1.0)で

こんなコマがありましたが、ストーリーつくりに限らず、異能(非日常)の人をうまく日常に落とし込む、というのはとても重要な事かと思います。ただの非日常のままでは、能力があってもそれをゼニに替える(マネタイズする)事は難しいでしょう。竹熊氏は「サルまん(1.0)」だけではなく、「篦棒な人々」も名作で、異能の人と言って良いかと思いますが、多くの人を巻き込む仕事は性格的に難しいのでしょうね。「サルまん(1.0)」はかなりの幸運だった、という事なのかもしれません。

新しく、面白そうなアイデアでもうまく運用できなければコケる、という事を赤裸々に記した本著、誰にでも薦められる本ではありませんが、そういうのに興味のある人であればぜひ買って読んで欲しい本でした。

※参考

篦棒な人々ー戦後サブカルチャー偉人伝 (河出文庫 た 24-1)

篦棒な人々ー戦後サブカルチャー偉人伝 (河出文庫 た 24-1)