1993年のお金をかけないネット始め

　現在行われている
adventar.org
　↑こちらのイベントに感銘（？）を受けまして、自分の事を書いてみようか、なんて思いました。2023年現在、インターネットはスマホ１つあれば（ある程度）楽しめるものとなっていますが、昔はそう簡単なものでもありませんでした。今から30年前の1993年、

PC-9801がパソコンの主流
やっとこさ（比較的）安価な98FELLOWが発売になった

　こんな時代に（それほど）お金がなかった大学生だった私がどうやってパソコン通信を始めたか、せっかくだからまとめてみました。

「パソコン通信をやってみよう」

　1993年の初め、仙台に住む大学生(21歳)の私は唐突にそんな事を思いつきました。パソコン通信という面白いサービスがある、という事はパソコン雑誌の記事などで以前（高校生くらいの頃）から知ってはいたものの、やるには高価なパソコンが必要でありそう簡単にはできるものではない、という認識でした。ただ、この時

PC-8801mk2SR（以降）であれば、パソコン通信ができる
8801の時代はほぼ終わっており（新作ゲームソフトが出ない時期）中古で安く買えるようだ
あとはモデムと電話回線があればOK

　という情報をどこかしらから得て「だったらイケるぜ！」と思ったわけです。そういう事で、仙台市本町に当時あった中古品も取り扱うパソコンショップ「OAシステムプラザ」に行き

PC-8801FH30……２万円
1200/300bpsのモデム……１万円

　を購入しました（なぜか8801に使えるパソコン用ディスプレイは持ってました）

※価格がうろ覚えだったので、インターネットアーカイブから1993年4月のログイン誌に載っていた広告を引っ張ってきました。左が日本パソコン流通センター、右がコンピューターバンクの広告です。8801(SR以降)が2万円ちょい、記憶と合ってて安心しました。コンピューターバンクの方は既に8801が存在せず……　9801UV21で48000円となってました。

　また、パソコン通信サービスはニフティサーブとPC-VANが２大サービスのようだ、料金的にはPC-VANの方が安い（月2000円の固定料金制）という事で、PC-VANに申し込みを行いました。

　さて、当時のパソコン通信は"PC-9801＋MS-DOS"からWTERMなどの通信ソフトを使うのが一般的な組み合わせでした。ではPC-8801の場合どうするのか？　さっぱりわからん私は仙台のでかい本屋（フォーラスビルの上にあったような気がする）でPC-8801用のパソコン通信の案内本を購入してみたところ、そこで説明されていた方法とは

「BASICで通信プログラムを入力し、それでネットにつなげば良い」

　でした。BASIC、私は昔PC-6001やMSXを使っていた経験である程度わかるので、本を読みながら通信プログラムを入力、そして実行してみたところ……つながった！　やったね！　しかし、BASICのプログラムでは通信速度が1200bpsだと転送速度が早過ぎて、文字の読み飛ばしが発生してしまいました。それじゃ速度を下げるか、と300bpsでつないで、やっとまともに（？）PC-VANに接続し、メッセージを読めるようになりました。

　ただ、300bpsでのネット接続って、表示されるメッセージがリアルタイムで目で追えるくらいのスピードで、めっちゃ遅いんですよね。それに、せっかく1200bpsで使えるモデムを持っているというのに、それが使えないのは面白くありません。どうしたものか、と思いつつPC-VAN内のSIG（Special Interest Group、ニフティのフォーラムとほぼ同等のもの）を見て回っていると、PC-8801シリーズのSIG「８８ＶＡユーザーズクラブ」にて、こちらの情報が得られました。