人気サイト・かーずSPのかーず氏責任編集の夏コミで発売された同人誌「まじカル!A’s」、今頃やっと読む事ができるようになりました。私にとって一番興味深い記事である「TMAインタビュー」、男優のゴローこと鳴沢賢一氏、プロデューサーの神楽次郎氏の両名にインタビューをしているのですが、鳴沢氏の話題は既にずいぶん出てきているので、神楽次郎氏の発言部分を抜き出し、それについて思うところなどを書いてみます。
(涼宮ハヒルの憂鬱)
女優の拘束日が基本的に二日なので、実際の撮影も二日で絡みも含めてすべてやるんですよ。時間がない時は女優優先なので、別日にキョンと小泉役の人の単独シーンを撮ったりしていました。拘束日が2日というのは、普通のAVでもそうなのでしょうか? 普通は1日なら、費用がかかるのもまあ当然ですね。別メーカーですが、イフリートの「ファミレス戦士プリン」も、2日で何とかなったのでしょうか……?
(涼宮ハヒルの消失)
一本目を出した時にものすごい反響があって、ショップから『どうしても次をやってくれ』って意見をいただいたんです。でもネタ的に同じことをやってもつまんないと思って、元ネタの中で一番面白いのは『涼宮ハ○ヒの消失』だったから、これだったらみんなも観たいかなぁと思いまして。その時は『涼宮ハ○ヒの消失』が映画になるとか第二期とか噂が流れていたんですが、結果的に原作よりも先に出ちゃいました。ネタの選び方の難しさですね。パロディであっても、AVの場合それなりに作るのは時間がかかるわけで、ある程度予想をつけてやるというわけですが、「消失」の場合うまく合わせる事はできなかったようで。まあ、逆にそれが良かったというべきか?
(出演AV女優について)
主演の香坂百合さんは当時うちの専属だったので接していたんですが、その頃から『こいつはどう見ても地でハ○ヒだな』ってずっと思ってました(笑) だから彼女でコスプレ物だったらこのタイトルだろうと決めていたんです。女優さんと演じるキャラクターのイメージが合うというのは、とても良い事ですね。逆にロゼーンメイデンのシンキの人とかはあかん感じですが、これはどういう流れで決まったのかしらん。まあ、こういうのはBSOさんも聞きにくいか……。
『きら☆すた』でも、主役のさくら奈々さんが凄くぴったりで、撮影前に彼女は家でビデオを観て勉強してきたらしいんですよ。現場にアニメの素材を持ってきて、みんなで踊りの練習をしたりとか。
(コスプレストーリー作品の始まり)
前々からコスプレ物はやっていたんですが、オムニバス形式だったので寸劇は少ししか入れられなかったんです。一つの作品をモチーフに一本のDVDを作る事は意識していなかったんですが、『Pureキャロットにようこそ』では一つの作品内で衣装が5,6パターン選べたので、これだけでいけるって話になったんです。前々からのコスプレものというと、「コスプレ(AV女優名)」のシリーズと、「コスプレパーティー」ですね、わかります。コスプレパーティーは、さすがに詰め込み過ぎでちょっと何だったような……。単品作品の始まりというと、ゴローこと鳴沢氏のインパクトのせいか「Faith」の心象が強いのですが、最初は「マリア様がみている」なのですね。
実際にストーリーの中身を凝ってやろうと思ったのは『マリア様がみている』の時です。その時もコスプレのレズ物をやりたいって企画でオムニバスで何個か作品を入れていく予定で、その筆頭候補が『マリ○て』だったんです。でも、あのアニメを観た時にあまりにも作品が百合アニメとして出来過ぎていたので、『これは他を入れずに一本でいけるでしょう』と、そこから一つの元ネタ作品で一本のDVDという作りが定着していったんです。
(題材の選択)
その作品が流行っている事が重要です。アニメDVDの売り上げは後からじゃないと把握できないんで、それよりも先にネットや秋葉原の露出具合で判断してます。元々私は営業で、秋葉原地区担当だったんですよ。結構仕事で毎日行っていて、いわゆる美少女ゲーム売り場にも縁があったんで、そこでチェックしています。「消失」の項でもあったように、題材選びは難しいようです。ネットと秋葉原の盛り上がりで判断してるそうですが、このあたりはオタクとしての勘に頼るしかないんでしょうね。私としては、ウホッ!いい男……の女性版とかやってみて欲しいのですが、さすがに無理かなあ(笑)。
(コスプレAVの購買層)
コスプレAVの購買層には二種類ありまして、コスプレをしている女の子と絡んでいる映像を観たい人と、BSOさんみたいにネタ的に面白がる人。で、圧倒的に後者が多くて、コスプレAV好きは意外とあんまりいないんです。マニアのフェチものの一種ですからね。話題にする、興味があるレベルなら、確かに前者よっか圧倒的に後者の方が多いと私も思います。ただ、購入レベルまでいくと前者もけっこうな人数なのかな、と思ったのですが、この話だとそうでもないようですね。やっぱり、こないだのアダルトマスターみたいなリスクもあるわけだし、好きでないとやってやれない、というところでしょうか。
コスプレをしている女の子とエッチしたいって人は実はそんなにいないので、だから他のメーカーでは続かないんですよ。一度出しても売れなくてやめちゃう事が多くて、ずっとやり続けてているのはうちと最近ではイフリートさんくらい。コスプレAVはそんなに儲かるジャンルじゃないって事ですよね。
(エロ抜き総集編DVD)
うちとしては数が集まってきたから出そうか、くらいのノリです。AVに関しては絡みがなきゃいけないという概念は個人的には持っていないんですよ。実際うちでは絡みがないDVD、例えば全裸でブートキャンプを踊っているだけのものとかを出しているんで、固定観念はありません。面白い映像、DVDを出したいって事が重要なので。おかげさまでネットでは凄く売れています。AmazonやDMMといった通販サイトで数が出ているというのは、指名買いなんでしょうね。アダルトDVDは売り場に行ってたまたま目についたから買うというパターンがほとんどなんですが、これに関しては珍しく指名買いが多いです。AV会社としてそういう土壌があるがゆえの、コスプレAVの継続販売であり、エロ抜き総集編すら販売してしまう、というところなんでしょうね。こういう遊び心がある会社がいくつかあるというのは、業界全体としても良い事だと思います。
(コスプレAV特有の作り方)
基本的に私の好きなアニメをAV化しているんで楽しいんですよ。アニメを観て、鳴沢さんに演技してもらったら楽しいだろうなってイメージしてやってるんで(笑) その分普通のAVよりも監督との打ち合わせが多くて、衣装の発注などかなり手間はかかって、準備段階を入れると約2ヶ月。衣装をオーダーする場合はどうしても最低1ヶ月はかかるんですよ。時期がネックで、その時期では女優が決まっていない事が多いんです。衣装に時間がかかるというのはごくもっともな話ですが、服のサイズから女優さんを決めるというのは盲点です! ひぐらしのみおん役の人とか、そのあたりが原因なのでしょうか……面白いので、今後もやってください(ぉぃ)。
(「服のサイズは?」という問いに)
服のサイズに女優を合わせる(笑) 逆の発想で、Lサイズしかないんでこの女優だ、みたいな。もちろんメインの女優は決まっていて、メインの子のイメージとアニメのイメージがシンクロしないとやろうという気にはならないんです。そこはすぐに決まるんですが、三人目以降となると、そういう理由でだんだんと面白いキャスティングになってくる(笑)
(今後の予定)
面白いアニメやゲームが出てくれば三次元化したいっていうモチベーションが上がりますし、心に響かなければ作る気になりません。『ク○ナド』を観た時に、あの可愛さを表現するのは無理だと一度断念したんですけど、観てるうちにやっぱりやりたくなっています(笑)アダルトマスターでは、残念な事となってしまいましたが、これからも面白い作品を作って頂けたらと思います……って、心配しなくても大丈夫かな(笑)